ぐらんぎにょーる

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不妊治療⑤体外受精(胚培養編)

 

④では採卵が終わったところまで記しました。今回は胚(受精卵)のその後についてお知らせします。

クリニックからの受け売りとわたしの胚の様子について織り交ぜて書きます。

 

受精率

 

受精させたからと言って100%受精卵になるわけではありません。精子卵子それぞれに遺伝子情報があり受精に対し正常なもの同士が出会って初めて受精をします。確率は60-70%と言われています。

なので5個(うち成熟卵3個)のわたしはとても心配でした。

 

通っていたクリニックでは採卵翌日に受精結果がメールで送られてきます。

 

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やはり未成熟卵は育たず、成熟卵3個を培養していくことになりました。

 

胚培養

 

受精したあと胚を培養液の中で育ててもらうのですが、段階が2種類あります。

 

・初期胚(培養2.3日目)

胚盤胞(培養5日目以降)

 

それぞれにメリット・デメリットがあります。

 

初期胚のメリットは、細胞分裂が8細胞期あたりまで育てたところで、移植or凍結するのでそれ以降育たず治療中止になるという事態は避けられます。

初期胚のデメリットは、体内でそれ以上に育つかは不明で着床率は15-20%程度と言われています。またこの時期の細胞分裂は子宮内ではなく卵管を通っている時期なので、本来の場所とは異なります。逆流して子宮外妊娠の可能性も高まります。

 

胚盤胞のメリットは、胚が最終段階まで分裂しているで着床しやすく40-50%の確率と言われています。また移植場所も本来の場所で適しています。

胚培養のデメリットは、胚盤胞まで育つ受精卵は40%程度で、移植当日までに胚盤胞までに成長していなければそれ以降の細胞分裂は見込めず治療は中止になります。

 

神に祈るしかありませんでした。

胚培養の結果もメールで届きます。何回プッシュ通知出したことか…。

 

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ヤッター100%胚盤胞だ!!!!と、とても喜びました。

 

新鮮胚移植と凍結融解胚移植

 

移植する時期についても2種類あります。

 

・新鮮胚移植(採卵した3or5日後に移植)

・凍結融解胚移植(胚を凍結し、1周期以降に融解し移植)

 

これらもメリットデメリットがあります。

 

新鮮胚移植のメリットは、すぐに移植ができ、すぐに結果が得られます。

新鮮胚移植のデメリットは、卵胞を育てていく際に卵胞ホルモン剤により子宮内膜が薄くなり着床環境に適さないことがあります。また後述するOHSSのリスクが高い人は新鮮胚は移植できません。

 

凍結融解胚移植のメリットは、採卵のために通常と異なった子宮環境を生理を通してリセットし、翌月以降移植に向けて子宮内膜を整えることができます。また新鮮胚移植で妊娠に至らなかった場合に余剰胚を凍結することで採卵せずとも移植期からスタートすることができます。OHSSのリスクを十分減らすことができます。

凍結融解胚移植のデメリットは、時間がかかってしまうことと、胚を凍結・融解させることにより胚が壊れてしまう危険性が3%あるということです。

 

クリニックは基本的に凍結融解胚移植で治療を行なっていくので、わたしの胚盤胞3個も凍結されました。採卵した周期の生理はおびただしい量の出血で、ナプキンとタンポンW使いでも漏れ漏れでしたチーン。

 

OHSS(卵巣過剰刺激症候群)

 

突然の難しい名前!

これは何かといいますと、

採卵に向けて薬剤で卵巣を刺激していくうちに、卵巣が肥大化することによってお腹や胸に水が溜まっていってしまうことがあります。これらの水は血液内から漏れ出した水なので、結果血液が濃縮されて血栓ができ血栓症を引き起こすというものです。

④の採血時に数値が高くなりすぎると中止と書きましたが、卵胞ホルモン値が高すぎるとこれを引き起こすので中止になる、というわけです。宮城県が卵胞ホルモン値がより厳しい理由としては基準値内にも関わらずOHSSになってしまった方がいたそうで慎重になっているとのことでした。

わたしは多嚢胞卵巣症候群でこれになりやすい体質だったのでだいぶ数値を細かくみられました。

「危なかったねーもう少しでICUだったよー」と言われました。危ない……

予防としてはたくさん水分を摂り循環をよくすることと、処方された血栓防止の薬をちゃんと飲むことでした。

 

卵巣捻転

 

これもちょっと(だいぶ?)怖いです。

卵巣刺激によって下腹部がパンパンになりました。採卵後もまだ卵巣が通常よりも高い位置にありました。とんだり跳ねたり捻ったりすると、卵巣が降りてくる際にねじれて(捻転)してしまって、最悪の場合卵巣摘出になるそうです。職業柄とっさの行動をとることが多かったのでびくびくして生活してました。生理が来るころには元の位置と大きさに戻っていました。

 

予防接種

 

これは余談なのですが、体外受精に入る前の血液検査で麻疹水疱瘡の抗体がないことが判明しました。

風疹麻疹は今まで散々打ってきましたが、抗体がつきにくい体質なんでしょうね……

水疱瘡は幼児時代に罹患したので盲点でした。

職業柄罹るリスクが高かったのですぐに予防接種を受けました。その後の抗体検査は受けていません。

 

ただし、麻疹と水疱瘡両方生ワクチンなので、接種後2ヶ月は移植ができません!!!

 

早く言ってよ〜〜〜(涙)

採卵には関係はないので、予防接種→採卵→生理・前周期・生理→移植期の流れで2ヶ月過ごしました。

 

さて、いよいよ大詰め!⑥では移植期に突入します。

めんどくさがりのわたしがここまで記事を書いているのもえらい!

 

不妊治療⑥に続く。