今回からは体外受精について書いていきます。
長いのでこの記事では採卵期までについてです。
体外受精とは
排卵前の卵胞から注射器を使って卵子を取り出し、体の外で精子と掛け合わせ受精させます。そしてそれを子宮内に戻し着床させます。
女性の負担がとてもとてもかかる治療です。お金もかかります。だいたいのARTクリニックでは体外受精についての説明会を開いているので気になる方は参加してみても良いと思います。
ちなみに全て保険適用外です。クレジット支払いに対応しているクリニックもありますが、現金のみのところもあるのでチェックしてみてください。
体外受精の流れ
前周期(検査期間)
↓
採卵期
↓
胚移植期
↓
判定
と、早ければ2ヶ月、凍結胚移植や子宮内膜の関係で遅ければ3ヶ月以上で1周期が終わります。
前周期
この期には夫婦で感染症検査をします。もうすでに不妊検査では行っているのですが、改めて行いました。
そしてわたしはアンタゴニスト法という方法を用いてたくさんの卵胞を育てるので、自己注射をせねばなりません。その説明を受けトレーニングDVDを借りました。
採卵期
生理3日目に診察に出向きます。この時に出血がある中内診があり、卵巣に腫れがないかチェックがあります。このときに卵巣に腫れがあると中止になります。
この時に採血もします。血中のFSH(卵胞刺激ホルモン)とE2(卵胞ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)の値を調べます。
そして卵胞ホルモン剤とステロイド剤が処方されます。2週間飲み続けます。
そして自己注射…
これです。散らかっている!
卵胞をたくさん育てるにはいくつか方法があるのですが、わたしはアンタゴニスト法が採用されました。卵胞を注射によってたくさん育て、でも勝手に排卵しないように抑制する注射もする方法です。
上記のゴナールFを150mlずつ6日連続でお腹に打ちます。自分で!!!針は細いのですが怖いね。リスカより怖いよ。
生理9日目に再び診察です。内診で卵胞の大きさをチェック。そして採血でE2とP4(黄体ホルモン)の値を検査します。この時に値が大きすぎると中止になります。宮城県は他県よりこの数値の基準が厳しいらしいです。理由は⑤で説明します。
この日にもう一つの自己注射をします。セトロタイドと言います。
これは薬剤を混ぜ回せシリンジで吸い取り刺す!ものでした。ゴナールよりも針が大きいです。
大きさ比較をfire stick TVで(笑)
生理後11日目と13日目の朝に打ちました。セトロタイドは打ったあとが痒くなりやすいです。我慢。
生理後11日目に再び診察です。9日目と同じく内診と採血です。このときに採卵日が決定します。もちろん血液検査の結果が悪ければ中止です。
この日にスプレキュアという点鼻薬が処方されます。写真撮り忘れました。最終的に卵胞を大きくするトドメです。点鼻する時間が決まっています。生理後13日目になってすぐ、24:00・24:30・25:00の3回時間を守って両鼻にシュッとします。
それを13日目の朝セトロタイドで排卵しないように止めるという仕組みです。
この頃には卵胞がたくさん育ち、素人目から見てもエコーで8個以上育っていました。なのでお腹は妊娠中期なりたてくらいまでお腹がぽっこりしていて座るのも苦しかったです。卵巣が捻転してしまうので、飛んだり跳ねたり激しい運動は禁止されていました。
採卵当日
生理後15日目で採卵になりました。人工授精と同じく夫の精液も採取して持参しました。当日は絶飲食で朝9:00集合でいつも診察する部屋とは異なるラウンジに通されました。病院の大部屋のようにカーテンでベッド仕切った部屋に案内され、ディスポのスカート(使い捨てスカート)に履き替えるよう指示をされました。
当日採卵者は4人いたので順番に呼ばれます。ドキドキ……
(今日日帰り手術で結構びびっているのでよかったら頑張れください…)
— ⓢⓗⓞⓝⓒⓗⓐⓝ* (@shonchan_nico) 2020年12月6日
びびってました( ᷇࿀ ᷆ )
名前を呼ばれ手術室へ。いつもの診察台とオペ室にあるようなライトとエコーがありました。
血圧計と酸素濃度を測る装置を指につけられました。
ウイーンと内診台が動き、脚をガバッと開かされます。そしてクスコでパカッ。消毒のために生理食塩水が流し込まれます。そして局所麻酔の注射…わかります?膣に注射器入れられているんですよ…不快感!局所麻酔は痛くありませんでした。
が、しかし「では採卵はじめますね」と次々と卵胞に針を刺されると形容し難い痛みが……!!!
痛くて痛くて息を整えようにも整わず、酸素マスクをつけられました…死
エコーでブスッとさされてちゅるっと卵胞が吸われていく様子は見られるのですが、そっちは見ない方がいいと言われました(笑)酸素マスクつけたくらいだからね…
吸われた卵胞はすぐさま培養士のもとに運ばれて採卵と同時に卵子の確認がなされます。医師に何か叫んでいたけどそれどころじゃなかった…
手術は10分で終了でした。採卵後包帯を膣内入れ止血されました。わたしは放心状態。痛い。
ボルタレンの坐薬を挿れてもらい、看護師におんぶをされベッドまで戻りました。ロキソニンも処方してもらいしばらく安静。
一緒に抗生物質と血液の流れをよくする薬も処方されました。「命を守る薬だから絶対忘れずに飲んでね」と念押しされました。
2時間の安静後、いつもの診察室に呼ばれ止血の包帯をとりました。クルクルされていたものを突っ込まれていたので、ピロピロピローっと引っ張りながら取られました。止血を確認した後医師に採卵結果を話されます。
採卵結果
採卵結果は、
成熟卵3つ、未成熟卵2つだけ。
あんなに刺したのに、あんなに卵胞があったのに。空砲が多く(排卵してしまった?)5つだけの採卵になりました。ちなみに0個の場合は中止です。振り出しに戻る。
未成熟卵も24時間すると成熟する可能性があるから培養していくとのことでした。うーん。
アンタゴニスト法ではなくロング法だったらもっと採れたのかななど心中穏やかでなく…
3つ採れたら上出来じゃん!って思われるかもしれませんが、この先受精してうまく細胞分裂してくれるのは60%程度と言われるので不安でした。もちろん移植できる状態まで細胞分裂しなければそこで中止なんですよ。ドキドキ。
神に祈るしかありませんでした。
今回採択された受精方法は顕微受精でした。今回夫の精液の成績が良くなく、顕微鏡で元気な精子を1匹吸い取りそれを卵子に細い針で入れ受精させるという方法が取られました。成績良好なときには卵子に精子をふりかける体外受精がとられます。
神と受精させてくれる培養士さんに祈るしかありませんでした。
卵巣がいつもより高い位置にあり、それが降りてくるまではジャンプやひねる動きは禁止されました。
採卵終わってから
そういえば全然尿が出ない…水飲んだのに…と尿意はあるのにトイレに座っても出てくる気配がありませんでした。トイレの水を見ると「あーちょっと赤いなぁ出血かなぁ」なんて思っていました。
そしてちょっとお腹に力を入れておしっこするぞ!とちょび…ちょび…と出始めると、
シャイニングの有名なシーンばりの血尿
なんだこりゃぁ!!!と慌てて病院に電話をしました。「膀胱には刺していないから安心して。手術中に膀胱が動かされて血尿が出ることがある。何度か排尿すると元に戻ると思うから水分とって様子を見てみて」と。
信じてポカリをガブ飲みし、4回目の排尿で通常の色に戻りました…早く言ってよ…心臓に悪いじゃない……
長くなりすぎたので採卵した卵子たちのその後は⑤で書きたいと思います。
不妊治療⑤に続く。