ぐらんぎにょーる

だれかの役に立てたらいいな

不妊治療③必要なものと人工授精

 

治療を進めるにあたり必要なもの

 

さて、今回から治療の話をするのですが、その中でわたしが必要だと思ったもの・ことをご紹介します。

 

・お金

・職場の理解

・心の余裕

 

以上3点は必須だと思います。

 

まずはお金

わたしが通っていたクリニックでは、人工授精は前後の投薬は保険適用、人工授精自体は保険適用外で1周期あたり3万円程度かかりました。

後々記事にする体外受精においては、すべて保険適用外です。採卵方法や採卵個数、新鮮胚or凍結胚か、など治療方針によって異なりますが概ね50-70万円かかります。

自治体によっては不妊治療を行った際に15-30万円程度助成金をもらえることがあります。ただし、行政の仕事なので振り込まれるまでめちゃくちゃ時間がかかります。ちなみに申請してから3ヶ月以上経ちますがまだ振り込まれていません。

家計と相談して、何回までだったら治療できるな…と一つの目安にしてもらえるといいのかなと思います。

 

次に職場の理解です。

基本的に不妊治療は「○月○日の○時に来てください」と指定されます。空いているときにふらっと立ち寄るということはできません。なおかつ予約を取らねばならないので、なかなか思い通りの日にちに通うことが難しいこともあります。

どうしても難しい時期があるときには中容量ピル等で生理期間をずらすことはできますが、そのピルの副作用は結構しんどいのでわたしはおすすめしません…。

わたしの職場はシフト制だったので、自分が時間休をもらう場合誰かにその時間帯を請け負ってもらわねばなりませんでした。そのため会議で自分の状況を話し、理解をもらう必要がありました。幸いにも「前の職場にも治療している人いたよ!日にち指定厳しいよね〜」と事情を知っている同僚が多かったので理解は得られやすかったです。勤務中に仕事を倍がんばる!スタンスで補填していました。

 

最後に心の余裕です。

これは本当に大切です。治療の結果が表れるのは早くて2週間後なので、そわそわドキドキ……いろんなことを考えてしまいます。時間とお金を使って成果が表れないと「何がいけないんだろう」「どうしてだろう」と自分を責めたくなります。悩む必要なんてないんですけどね、自分ではもうどうにもできないことなので。でも当事者はそうは思えずネガティブのドツボにハマります。わたしは「苦しい!」となったときには治療を一度休憩して一人旅に出ていました。そのあたりは夫は「好きにしたらいいよ」と言ってくれていたので助かりました。わたしが薬の副作用で辛い辛い言っていたからかもしれませんが。

 

お金も時間もかかります。わたしは20代のうちから治療をスタートしたので時間に余裕はあったのですが、やはり高齢出産の年齢の方々はそうはいかないでしょう。人工授精→体外受精へのステップアップも「○周期ダメだったらステップアップする」と覚悟を決めておいたほうが人生設計もしやすいのかなと思います。

 

人工授精について

 

ようやく本題です。

不妊検査を経て人工授精をすることになりました。

人工授精とは、内診によって排卵日を特定し、その前日に遠心分離し圧縮した高濃度の精子を子宮内に注入するというものです。その後は自然妊娠と同じプロセスで受精・着床します。そのため自然妊娠3-5%の確率に対し、人工授精5-10%という確率程度にしか上がりません。それでも確率があがるなら、と選択しました。

わたしは服薬と卵胞ホルモン注射でホルモンを補充し、排卵誘発剤を用いて排卵させる方針になりました。

 

生理開始5日あたりで受診し、子宮の様子をチェック。腫れ等異常がないことを確認します。卵胞ホルモンの筋肉注射をお尻に打ちます。腕でも構わないのですが、とてつもなく痛いのでお尻をおすすめします。痛くて痛くて毎度ベソをかいていました。そして1週間分程度の卵胞ホルモン剤を処方されます。概ね7日前後で人工授精するのでその前日に卵子が入っている卵胞の大きさをチェックします。規定以上であれば排卵誘発剤を打ち翌日決行になります。わたしはこのチェックで2回ほど大きさが足りず注射を打ってまた翌日卵胞チェック、その翌日に人工授精ということがありました。通院地獄です。

人工授精当日は、精液を専用の容器に採取し、保温バックに入れて持参します。クリニックによっては院内で採精できるところもあるみたいです。

提出したあと、精液を濃縮するために1時間程度待ちます。その後は内診台にあがり、ガバッとクスコで開かれカテーテルを通します。そして子宮内に濃縮された精子を注入します。痛みはないですが、カテーテルが違和感ありますね。1分静止したのち終了です。精液の成績レポートというものをいただきました。運動量・量等記されており、今回の質はどうだったのか把握できます。

人工授精後は黄体ホルモン剤を服薬し14日後に妊娠検査薬を試すというところで1周期が終わります。

 

この黄体ホルモン剤服薬期間がそわそわしますね。そして毎度真っ白の検査薬に打ちのめされ、泣き、再び生理開始5日以内に予約を取っていました。

 

ちなみに、

人工授精で妊娠することができる人は5回目までに90%の人が妊娠している

そうです。つまり、何の問題もなくただただタイミングが悪かった人たちや卵子精子の質が悪かった人たちは治療によって補助的機能の受けることで90%の人は妊娠が可能だそうです。

逆を返すと、卵子精子になんらかの問題がある、精子アレルギーあるいは殺してしまう体質、受精障害、着床障害などの因子を持っている人はいくら人工授精しても妊娠は不可能ということです。

これを初回で聞いていたのでわたしは5回目でやめようと、きっとそれまでには妊娠できるだろうと思っていました。

 

打ち砕かれましたが。

 

わたしは3周期連続で挑戦し、心が疲弊したので4ヶ月程度休みました。薬も抜きたかったので。しかしその間に無排卵を起こしまくり、不正出血だらだらで結局注射で生理を起こすことをしていました。薬が抜けない(笑)結局薬無く生活できたのは2020年2ヶ月だけでした。

その後2周期連続で挑戦したのですが、その間「あぁきっと無理だな」と悟ったので体外受精に考えをシフトしていきました。

 

ちなみにここまでで15万円程度かかっています。

 

こぼれ話

人工授精は女性不妊だけでなく、男性不妊の場合にも勧められます。EDや膣内射精不全、あとは精子の質が向上的に不良の場合。

夫の場合、5回中1回運動量0という時がありました。濃縮してもです。前月に高熱を出し数日寝込んだことが原因と考えられます。一度不妊検査でクリアしても、精子とて生き物。常に変わるんですね。その回わたしの卵胞は全回通して最高に大きくなっていたため、悔しくて夫に八つ当たりしました。責めてもどうにもならないのにね。

確率をあげるために、人工授精当日と翌日に性生活を持つことを勧めているクリニックもあるそうです。我々はしませんでしたが………(笑)

 

目に見えないし、自力ではどうにもならないって苦しいね。誰も責められないし!キー!

 

次の記事では体外受精について書いていきます。

ちょっと長くなりそうだから前後編に分けようかな。

 

不妊治療④に続く。