ぐらんぎにょーる

だれかの役に立てたらいいな

出産記録⑥命懸けのお産

 

今回こそ生まれます✌︎('ω')✌︎

 

緊急帝王切開

 

(麻酔による影響と後述する諸々の理由により順番があやふやなところが多々あります。ご了承ください)

 

移動してきたベッドから手術台へと移されます。ドラマでよく見る「1.2.3!」ってやつです。

そして手術着を脱がされ、全裸になります。

血圧計、心電図、パルキシオスメーターを装着。

そして麻酔をします。超緊急帝王切開(1秒でも早く胎児を出さないと命の危機)だと全身麻酔になるそうなのですが、緊急帝王切開なのでくも膜下硬膜外麻酔で概ね胸から下の下半身麻酔をしました。横を向きエビのように背中を曲げ小さな針を刺し挿れていきます。

このとき丁度陣痛が来てヒィヒィになってしまったので、陣痛を逃してから刺しました。危ないのでね!

すると何ということでしょう…!陣痛が全く痛くないではありませんか!無痛分娩羨ましい…!!!

保冷剤を使ってちゃんと麻酔が効いているかのチェック。冷たいと感じなければオッケーです。

麻酔の影響で、自律神経が乱れるらしくわたしは寒くてガクガク震えていました。また血圧も下がり気味になってしまうので、定期的に計測がなされます。

そして、残置導尿カテーテルが入れられます。しばらくトイレに行けないからね!

 

執刀医3名、オペ室看護師2名、麻酔科医1名、助産師1名とわたしで最終打ち合わせをします。

お腹の傷は縦か横か選べたので横切りでお願いしました。

 

そして着々と準備は進み、わたしの視界からは何も見えなく(胸のあたりにカーテンみたいな…手術が見えないように幕…?)なりました。

左には助産師さん、その奥には赤ちゃんが処置される眩しいベッド(経産婦さんに伝われ)、頭上には麻酔科医がいました。

 

ペスタートです!

 

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わたしはもう終わる…という安心感から手術に対して恐怖心はなかったです。ただとてもハイになっていて饒舌でした。ずっと助産師さんと麻酔科医と喋っていました。

焦げ臭いにおいがしたので「電気メスです?」なんて聞いていました。どれだけお喋りやねん。

 

オペ中、痛みを感じることはなかったのですが触れられている感覚・押されている感覚はありました。

 

あーもうすぐ赤ちゃんに会える!長かった妊活も誘発分娩もすべてすべて終わる…!

 

とワクワクでした✌︎('ω')✌︎

間も無く赤ちゃんが出てくる、ということでお腹を執刀医たちに押されます。御神輿みたいに…わっしょいって感じでした。

ぎゅうぎゅう押されるもんなので胃液が上がってきて「吐きそう…」と受けを用意してもらいました。

「頭見えましたよー!」と助産師さんが教えてくれ…そして!!!

 

ふにゃあ!

 

「⚪︎時⚪︎分です!おめでとうございます!」と祝福されます。生まれました!やったー!終わったー!涙は出ず、安堵感で胸いっぱいでした。

 

喜びも束の間……

 

ただ、取り上げられた赤ちゃん、顔色が悪かったんですよ。遠目で、素人目にもわかるくらい。チアノーゼってやつ。声も小さい。すぐに赤ちゃんの処置がなされます。顔を左に向け、ベッドを見つめるわたしを案じて「処置終わったら隣に連れてきてもらえますよ!」と麻酔科医は言います。

わたしの胸の下では後処理がされます。胎盤排出後、子宮内をきれいにし、縫合、なのかな。低置胎盤気味だったのと、胚移植だったので癒着が心配されましたが無事胎盤排出されました。

 

一向に赤ちゃんは隣には来ません。なんなら赤ちゃんベッドで処置する医師増えてない?よくよく見ると人工呼吸器ついてない?不安は募ります。そして1人の医師がわたしのもとにやってきます。

 

「肺が炎症を起こしていて、うまく膨らまないので、呼吸の手伝いをしています。治療が必要なのでこれからNICU(新生児集中治療室)に行きます」

 

顔も見られないまま、触れられないまま、性別すらわからないまま、生まれてわずか10分程度の赤ちゃんは挿管をされ人工呼吸を施され、わたしより先にオペ室を出ました。

 

涙は出ません。たぶん状況を理解していなかったのかな、ハイになりすぎて。「わかりました、お願いします」と言うしか、わたしにはできませんでした。

 

麻酔科医が「疲れているだろうし、軽く全身麻酔をかけて眠ることができるけどどうする?」聞いてくれお願いしました。わたしにできることは、何も無かったので。そしてすーーっと眠りについたのでした。

これが危うく一生目を覚さないところでした…

 

お腹がチクチクする痛みで目を覚まします。なんと縫合中に麻酔切れてきちゃった\(◡̈)/

「い、痛い!」と話したことで周りはエッとなり(笑)麻酔追加してもらいました。

 

そして医師がわたしに近づいて話します。「促進剤を投与し続けた影響で、子宮内の出血量が非常に多い。ご主人には了承をもらったが輸血をしなければならないけどいいか?」

なんなんですかね大殺界???

子宮があまりにも収縮していたから弛緩出血みたいな感じなのかな…巨大児だから?

 

リスクとベネフィットとはよく言ったもんですね、輸血は感染症リスクはあるけど明日を生きるためにはベネフィットを取らねばならないんですよね、赤ちゃん抱っこする為にも。お願いしました。

 

よくドラマでオペ中出血を吸引したものを溜める容器あるじゃないですか。ふとそれが目に入ったんですが、3-4本血が満タンで。

 

後々聞いたら体の血液量の半分以上の大量出血らしく、わたしよくショックにならなかったなって思います。しないのかアレくらいじゃ?とにかく饒舌だったのでアドレナリンでどうにかしていたのかな。わかりません。

オペ終わったあたりから全然脳みそが動かず、何かみんな話しているけど咀嚼して理解するのはなかなかに難しかったです。文字も文字として認識、識字するのも難しかった……

 

オペが終わり、病室に運ばれます。オペ終了待機していた夫と会えました。「おつかれちゃん。輸血することになったんだってね」みたいな会話をしたような…。そのときのわたしは「顔色無かった」そうです。

 

夫はNICUに運ばれる赤ちゃんを見ることができ、写真も1枚撮れました。赤ちゃん生まれて初めての写真が管まみれなんですよね。普通に産んであげられたらカンガルーケアして母子共にピース!みたいな写真だったろうに…

 

こうして4日間に渡った出産は終わりました。全然無事じゃない。命懸けすぎました。

 

このあとも色々と処置は続いたのですが、この記事が長くなりすぎたのでまた次回!

 

⑦に続きます。